2010-09-13 10:03:34
トンネル格言1ー足立氏の隧道十訓1
9/8の台風以来、暑いは暑いのですが、ひところの猛暑は一段落した感じですね。
さて、本ブログではこれから、トンネルについての格言や教えを探して(自分自身の勉強も兼ねて)、少しずつ紹介していきます。。
主に建設に関わるものではありますが、トンネル維持管理は建設時の問題の裏返しともいえるので、参考になるかと思われます。
トンネルにおける格言でもっとも有名なのは、標記の「隧道十訓」です。
これは、第二次世界大戦中の線路増強の突貫工事の際に崩壊事故が多発したために、この現場を管轄されていた足立貞嘉氏が、現場の注意を喚起するために、昭和19年に発表されたものです。
当時と現在の掘削方法の違いで、すぐにはわからない表現もありますが、その内包する意味は全く古びていません。そのため、それ以後の十訓も、ほとんどが足立氏の十訓を下敷きにしています。
1.地相は人相、山の性状(たち)
ひとに人相があるように、山にも山の相(地相)があって、これをよく観察しないと、山の性質はわからない、という意味です。
これは、「地質がわからないとトンネル診断はできません」と、お客さんの前で常々主張している我々の主義と全く整合する格言ですね。ウチの社訓にしようかと、本気で思いました。
2.山のゆるみは気のゆるみ
トンネルを掘削すると、地山は必ず緩むものであって、掘削中は常に注意して、緩みを最小限に止めなくてはいけない、という意味です。
当時の山岳工法の時代だけでなく、現在のNATM工法においても、全く同様のことが言えます。
3.石堅くても、山堅いとは限らない。
ボーリングコアや露頭の岩が堅くても、地山全体が堅いとは限らないので、地層の全体の状況(割れ目、節理、断層、湧水、風化など)の勘案して判断しなくてはならない、という意味です。
これも、我々地質屋が、常に意識しなくてはならない、耳の痛い格言です。
(以上、引用、参考文献「山岳工法の調査・設計から施工まで」(地盤工学会) )
今日はこのくらいで。
さて、本ブログではこれから、トンネルについての格言や教えを探して(自分自身の勉強も兼ねて)、少しずつ紹介していきます。。
主に建設に関わるものではありますが、トンネル維持管理は建設時の問題の裏返しともいえるので、参考になるかと思われます。
トンネルにおける格言でもっとも有名なのは、標記の「隧道十訓」です。
これは、第二次世界大戦中の線路増強の突貫工事の際に崩壊事故が多発したために、この現場を管轄されていた足立貞嘉氏が、現場の注意を喚起するために、昭和19年に発表されたものです。
当時と現在の掘削方法の違いで、すぐにはわからない表現もありますが、その内包する意味は全く古びていません。そのため、それ以後の十訓も、ほとんどが足立氏の十訓を下敷きにしています。
1.地相は人相、山の性状(たち)
ひとに人相があるように、山にも山の相(地相)があって、これをよく観察しないと、山の性質はわからない、という意味です。
これは、「地質がわからないとトンネル診断はできません」と、お客さんの前で常々主張している我々の主義と全く整合する格言ですね。ウチの社訓にしようかと、本気で思いました。
2.山のゆるみは気のゆるみ
トンネルを掘削すると、地山は必ず緩むものであって、掘削中は常に注意して、緩みを最小限に止めなくてはいけない、という意味です。
当時の山岳工法の時代だけでなく、現在のNATM工法においても、全く同様のことが言えます。
3.石堅くても、山堅いとは限らない。
ボーリングコアや露頭の岩が堅くても、地山全体が堅いとは限らないので、地層の全体の状況(割れ目、節理、断層、湧水、風化など)の勘案して判断しなくてはならない、という意味です。
これも、我々地質屋が、常に意識しなくてはならない、耳の痛い格言です。
(以上、引用、参考文献「山岳工法の調査・設計から施工まで」(地盤工学会) )
今日はこのくらいで。