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テラテックなひとびと |

テラテックなひとびと

テラ=地球(terra)、テック=技術(technology)。 地球の神秘を探る探求者・・のつもりで日々精進中です(*^_^*)。 テラテックの代表の宮崎が、仕事や活動や言いたいことなどを、不定期で発信していきます。 有限会社テラテック http://www.terra-tech.jp
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調査の道具たち1-GPS

 今日は、この2,3日の肌寒い雨模様が一転し、秋らしい気持ちいい青空となりました。
 
 さて、これからぼちぼちと、当方が使用している調査用品を紹介していきたいと思います。

 第一弾は、GPSです。
 最近はナビが一般的になったので、一般の方には「手持ちのナビだよ」と説明すると分かってもらえます。
 外部の調査をする上で、自分の位置を把握するのは必須です。
 
 当方が使っているのは、Gamin(ガーミン)社製の、eTrex Vista Hcx(英語版) です。 
 ガーミン社の日本正規代理店である(株)いいよねっとhttp://www.iiyo.net/さんから購入しました。(画像出典元も)
pt-etrexVistahcx.jpg

 ガーミンのeTreXと言えば、知る人ぞ知る、GPSの革命的な名器です。かつてのGPSは、大きくてかつ精度が悪くて使いものにならなかったのですが、eTreXは、今の携帯電話くらいの小ささ(寸法自体は発売当時のモデルも今と変わりません)なのに、抜群に精度が良く、GPSが爆発的に広まる契機となった機種です。

 当方が選んでいるVista Hcxは、下記の機能で決めております。

○高感度、高精度(+WAAS対応)
 
 位置同定が本質の目的である以上、一番の要請機能はこれです。ちなみに、GPSは天空から降ってくる電波を受信するので、ビルの中や地下は間違いなくダメで、ラジオなどよりも受信の制約は大きいです。問題は、外部調査で歩くことの多い、森の中のような場合です。
 現在販売されている、機種名に H-がつく機種は、高感度GPSチップ搭載しております。実際、森の中でもそれほどの精度低下を感じることはありません。
 さらに、ガーミンのGPSは、いずれの機種もWAAS対応です。WAASとは、ごく大雑把にいうと、GPSの精度を高めるための電波を別に発信していて、それを取り込んで補正する機能、という意味です。日本でも、同様の機能を持つMSASを2007年に開始しました。今の機種を買ったのも、WAAS(MSAS)の供用を待って、という面もありました。

 精度等の公称値は、以下のとおりです。
・GPS即測位精度 15mRMS(自分を中心とした半径15mの円の中に収まるという意味)
・衛星補足時間 コールドスタート約45秒、ウォームスタート約15秒

 まず測位精度の使用実感としては、上記より良く、平均的に5~10m位に収まる印象です。加えて、たとえば露頭を記録している間などは静止放置しておくと、2~4m位にまで少しずつ精度が上がってくるので、十分に実用に耐える印象です。
 次に、コールドスタート(=前回と全く違った場所で起動)の時間は上記くらいですが、ウォームスタート(同一現場内)ならば、瞬時と言ってもよいほど早く衛星捕捉が可能です。

○地図表示機能つき。一応はナビ機能もある。

 これについては後で記します。

○気圧高度計・電子コンパス付き

 当方の仕事は平面位置だけでなく鉛直の標高もわからないとお話にならないためです。機能自体は腕時計付属のものと変わりませんが、腕時計のものは5m刻みなのに対し、こちらは1mなので、より実用的です。

○microSDカード、USB端子
 
 かつてのeTrexは、RS232Cケーブル接続であり転送速度が遅く、しかも内蔵メモリが少なかったため、地図転送などは一苦労でした。現在は2GBのカードを入れていて、支障を感じません。

○防水、耐衝撃
 
 日常生活防水と、耐衝撃プラスチック加工なので、当方の調査でのように、少しくらい乱暴な扱いをしても壊れません。

○電池の持ち
 
 かつてのモデル(電子コンパスつき)は、電池持ちが悪かったのですが、現在のモデルは随分と向上しています。
 メーカー公称値は25時間(単3×2本、電子コンパス未使用時)です。当方の使用実感としては、ニッケル水素充電池使用で、上記くらいは十分に持つ印象です。電池交換の心配が少ないのは有り難いです。

 以上の機能と、値段とを勘案し、日本語版に比べて安価(半額くらい)の英語版を購入しました。
 これについては、回を改めて書きます。
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9/28日記(天気の記録ほか)

 先の日記(9/8)で暑さ一段落と書きましたが、先週のお彼岸やその直後の台風12号(関東~東北の太平洋岸を通過)を境にして、あっという間に季節が秋に移り変わったようです。・・というか、今週はまさに10月下旬くらいの涼しさだそうで、涼しいというより寒い印象です。
 まさに、「暑さ寒さも彼岸まで」ということでしょうか。
 新聞記事によると、都心では以下のような気温の記録となったそうです。
 ・真夏日:9/22に都心での71日間となり最多、これまでは2004年(たしかに暑かった)
 ・猛暑日:13日間、1995年と並び最多タイ
 ・熱帯夜:55日間となり最多、これまでは1994年の47日
 ・8月平均気温:29.6度、観測史上最高を更新
 
 それはさておき、本題に入りますと、今月9月の仕事のうちのいくつかを紹介します。

○F発電所水路トンネル(経年約70年) 既存工事図書の編集整理と、新規の改良計画の検討

 改良計画の検討に先立ち、これまでの工事図書を探してもらったら、山のように出てきました。それを紐解いていくと、単に現場を見ただけでは分からなかった、数々の履歴が明らかとなり、大幅に改良計画を変更(良い意味で)できることが判明してきました。
 記録の蓄積とその利用の大切さを、改めて痛感させられた業務です。

○N発電設備内、フェンス立替えのための調査および設計
 既存フェンス箇所の基礎試掘や地耐力調査と、新規フェンスの設計を行いました。
 こんなことも出来るぞ、ということで。

 来月は、断水調査の仕事がぼちぼち入ってきます。いよいよ年末年度末にかかってくるので、気を引き締めていこうと思います。

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トンネル格言3-足立氏の隧道十訓3

 少し時間が空いてしまいました。格言の続きです。今日の格言は、かつての木製支保工の時代の話であって、現代の施工状況には直接には当てはまりませんが、その精神は古びてはいません。
 なお、テラテックHPの方の、執筆論文のページに、そのような古典的な木製支保工の掘削方法を記した論文を掲載しています。参照してみてください。
http://www.terra-tech.jp/chida1987.pdf

7.天導掘らずに,中割するな

 これは、木製支保工時代の、断面分割施工の話です。現在はNATM含め支保の向上により、全断面施工、分割しても2分割くらい(ベンチカットなど)が主流となっていますが、当時は小さい断面の導坑を最初に掘削し、その支保を利用しながら徐々に切り拡げていったものです。
 大雑把には、底設導坑の次に頂部(天導)に切り上がり、次いで左右に切り拡げる(中割)すするという順番は決まっているので、その手順を守れ、という意味です。
 現代に置きかえると、基本に忠実に、手抜きをするな、ということでしょうか。

8.鼻梁は腰紐,キチンとしめたらシャンとする

枝梁式木製支保工図(隧道工学S9).gif

 鼻梁というのは、スプリングライン付近の水平の桁(大引、上図中の10)と掘削面とを固定する部材です(上図中の16,24)。言うなれば、鼻梁は、着物における帯に対する腰紐であって、それをギュッと締めればトンネルも着物も安定する、という意味です。
 現代のNATM工法において考えると、コソク=不安定岩塊除去や支保の早期設置で地山を緩めないようにしろ、などと意訳できます。

9.遣らずは両方

遣らず木製支保工図(隧道工学S9).gif

 遣らずとは、上図に示すように特に坑口部のような端部で、木製支保工がトンネル軸方向=縦断方向に倒れてこないように入れる、斜めの突張り材のことです。これを、悪い方のみ、左右どちらか、ではなく、両方にバランス良く入れろ、という意味です。立て看板をイメージしてもらえば、突張り材を1本だけというのは、あり得ないですね。
 現代のトンネル施工等でも、とかく、悪い方のみに目がいってそこばかり対策と成りがちで、意外に何でもなさそうなところで事故が発生したりします。バランスは大事、ということですね。

10.荷を担ったら足元に気を付けよ

 支保工に荷重がかかると、その荷重は支保工だけでなく、その足元の地盤が最終的に支えることになります。そのため、足元の沈下や変状に気をつけろ、という意味です。
 かつても今日も、とかく上方の切羽に目がいきがちなので、それを戒める格言です。

 では、また。

※1 以上、引用、参考文献「山岳工法の調査・設計から施工まで」(地盤工学会)
※2 図の出典 「隧道工学」(S19.2小林紫朗)
※3 こんな短文の格言なので、いろいろな解釈/表現の仕方が発表されています。本ブログに記載する意味は、それらを横目で睨みつつ、筆者の好み?を味付けしている内容であることを、お含みおきください。

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トンネル格言2ー足立氏の隧道十訓2

昨日の続きです。

4.流汗淋漓(りんり),崩壊の徴

 りんり、とは、したたり落ちるという意味だそうです。つまり、汗ダラダラ、ということですね。
 地山や支保工から湧水が増える、つまり汗がダラダラしてくるかのように水滴付着や滴水が増える場合は、崩壊の予兆として注意しなくてはいけない、という意味です。
 とはいっても、トンネルと湧水とは、切っても切れない関係で、湧水だけならば無数にあります。その量の変化に注意、ということです。
 話は多少ずれますが、道路や鉄道トンネルの場合、壁面からの湧水によるつらら、路盤凍結などで問題になる場合があります。その場合は面導水工などの排水工を設けなくてはいけません。

5.埃たなぬに,水ないものか
 
 地山を、ダイナマイトなどを併用して掘削すると、普通ならば、粉じんと呼ばれる埃がもうもうと出ます。それが出ないということは、つまり、地山が水分を持っているということであって、目に見える湧水がないからといって油断は禁物、という意味です。4.と同様、湧水への細心の注意を促す格言です。
 水があるのも困りものですが、水がなさ過ぎて粉じんが生じるのも厄介です。かつての鉱山労働者の方々が、この粉じんが引き起こしたじん肺で苦しまれています。

6.肩のしまりは,身のしまり

 当時のトンネル支保工は、材木により、今日から見れば寄せ木細工のように組み上げて構築していました。時代劇などで時々、鉱山や犯罪組織?の地下道が出ることがありますので、思い出してみてください。その全景が美しくないと、地山がきちんと押さえられない、という教えを、人間の体の姿勢にたとえて表現したものです。
 今日の支保工は寄せ木細工のような美しさはないですが、本質は同じです。
 上記の肩という語が、天端~アーチ部を指すとも言えます。つまり、天端部に空隙を残さないように支保工できちんと押さえなくては駄目だよ、という意味です。今日のNATM工法の真髄をも示唆しています。
 また脱線しますが、上記のように言われながらも、岩盤が良い箇所では、コンクリート覆工と地山との間には空隙が残っていることも多いのが実情です(それで問題ない箇所が大半なので誤解なきよう)。良く言えば、メリハリをつけてやっていた、ということでしょう。

 では、また。

※1 以上、引用、参考文献「山岳工法の調査・設計から施工まで」(地盤工学会) )
※2 こんな短文の格言なので、いろいろな解釈/表現の仕方が発表されています。本ブログに記載する意味は、それらを横目で睨みつつ、筆者の好み?を味付けしている内容であることを、お含みおきください。
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トンネル格言1ー足立氏の隧道十訓1

9/8の台風以来、暑いは暑いのですが、ひところの猛暑は一段落した感じですね。

 さて、本ブログではこれから、トンネルについての格言や教えを探して(自分自身の勉強も兼ねて)、少しずつ紹介していきます。。
 主に建設に関わるものではありますが、トンネル維持管理は建設時の問題の裏返しともいえるので、参考になるかと思われます。

 トンネルにおける格言でもっとも有名なのは、標記の「隧道十訓」です。
 これは、第二次世界大戦中の線路増強の突貫工事の際に崩壊事故が多発したために、この現場を管轄されていた足立貞嘉氏が、現場の注意を喚起するために、昭和19年に発表されたものです。
 当時と現在の掘削方法の違いで、すぐにはわからない表現もありますが、その内包する意味は全く古びていません。そのため、それ以後の十訓も、ほとんどが足立氏の十訓を下敷きにしています。

1.地相は人相、山の性状(たち)

 ひとに人相があるように、山にも山の相(地相)があって、これをよく観察しないと、山の性質はわからない、という意味です。
 これは、「地質がわからないとトンネル診断はできません」と、お客さんの前で常々主張している我々の主義と全く整合する格言ですね。ウチの社訓にしようかと、本気で思いました。

2.山のゆるみは気のゆるみ
 
 トンネルを掘削すると、地山は必ず緩むものであって、掘削中は常に注意して、緩みを最小限に止めなくてはいけない、という意味です。
 当時の山岳工法の時代だけでなく、現在のNATM工法においても、全く同様のことが言えます。

3.石堅くても、山堅いとは限らない。

 ボーリングコアや露頭の岩が堅くても、地山全体が堅いとは限らないので、地層の全体の状況(割れ目、節理、断層、湧水、風化など)の勘案して判断しなくてはならない、という意味です。
 これも、我々地質屋が、常に意識しなくてはならない、耳の痛い格言です。

(以上、引用、参考文献「山岳工法の調査・設計から施工まで」(地盤工学会) )

 今日はこのくらいで。
 
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